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大隅史談会

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2020.08.20

阿多カルデラの大噴火

阿多カルデラは、鹿児島湾の入口付近にある2つのカルデラで、南側のカルデラは阿多南部カルデラ、北側のカルデラは阿多北部カルデラと呼ばれています。
約11万年前の旧石器時代における最初の大噴火においては、阿多北部カルデラから火山噴出物が出て、今の鹿児島県全域に阿多火砕流が積もりました。荒平天神の茶褐色の岩や花瀬千畳敷は阿多火砕流の熔結凝灰岩です。


 
約5500年前には阿多南部カルデラで大噴火が起こり池田湖(池田カルデラ)が形成されました。これとほぼ同時に発生したマグマ水蒸気爆発により山川湾、成川盆地、鰻池、池底、松ヶ窪などの噴火口群が相次いで形成されました。その後、鍋島岳や開聞岳が形成され現在に至っています。



池田カルデラの水蒸気爆発の後、さらに花崗岩岩片を含む火山堆積物を噴いてから大規模な軽石の噴出があり、大隅半島にも厚く積もりました。吾平町での埋蔵文化財調査の現場では、この軽石層が20~30cmの地層になっていました(下記の左写真)。噴出当時は1mくらいの厚さであった(下記の右図)ので、当時住んでいた縄文人を阿鼻叫喚の地獄にさらしたことでしょう。



日本列島では数千年に1回、文明を滅ぼすようなカルデラ破局噴火が起きます。姶良カルデラ鬼界カルデラ、阿多カルデラと、鹿児島県に過去の実例が多いのは不気味です。
 

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